ウエストホームズ談話室

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ホームズファンのための談話室です。どうぞおくつろぎください。  

WEJ8月号を拝受しました - 疲労脳

2018/08/12 (Sun) 12:25:28

WEJ490(8月)ごを拝受しました。号を重ねてあと10ヶ月で500号に達するとは、非営利の文化団体としてはまさに大記録ではないでしょうか。この意義ある号で印象に残った紙面は次のとおりです。
★平賀さん『田園のイングランド』を共同執筆(中津氏)
英文学者が出すイングランドの田園を紹介する本も、ホームズゆかりのダートムーアも入れたくなるものらしく、シャーロキアンに執筆を依頼して内容の門をひろげられた
ものなんでしようね。その依頼が平賀さんの所に来るのはむべなるかなの感じです。
★「歴史研究家」の原田実さん、フジテレビに出演(洒落氏)
最近の政府や文部省は道徳教育に力を入れていますが、偽書を教材にしてはいけません。
★コナン=ドイルデザインの紙幣?(渡辺利枝子)
本物の紙幣そっくりな偽物を作るなんて遊びで済むんですか?なかなか精巧なものらしいのですが、コナン=ドイルの肖像入りの10ポンド札とは考えるだけで楽しいですね。
★軽井沢西部小学校かわら版とにホームズ像(小諸氏)
小学校の郷土学習の一環なんでしようがよく調べたものです。③番目がイギリス、④番目がヨーロッパとはそこまで調べ切れなかつたのでしよが、何をネタ本にしたのかしれませんが微笑ましい限りです。
★大阪府北部地震・ブロック塀の問題点と解決法(太田氏)
便宜を得た寄稿ですね。

地震では本棚の本に苦労しました。 - 米菓の子

2018/08/12 (Sun) 20:17:29

太田外気晴さんのご注意、今度は身に沁みました。私の家の本棚は幸いにして倒れなかったのですが、並べていた本がほとんど落下してしまつて、足の踏み場もない状態になってしまいました。困ったのは復旧作業でどこでもいいから棚に並べれば良いのではないので、分類して元に戻すのに暑い中を汗だくになりました。

木下さんってこんな方面にも興味? - 論より胡椒

2018/08/13 (Mon) 12:44:41

木下さんとは仏滅会で一、二度お見かけしたことがありますが、絵本の英語を訳されるようなこともおやりなのですね。絵本の英語さなの場合は辞書を引いて訳していてはダメで、場面場面にピタリの訳語を考えなければならなかつたのではないかと想像します。ご苦労があったことでしょう。WEJの既刊号の《青い紅玉》再考で平賀さんが書いておられた通り、翻訳とはパソコンの自動翻訳のように、辞書的・機械的な訳では不適当な文学的な作業だとの思いを深くしています。

Re: 木下さんってこんな方面にも興味? - - 木下信一

2018/08/14 (Tue) 11:03:32

ありがとうございます。
今回は頼まれての仕事でした。

>辞書を引いて訳していてはダメで、場面場面にピタリの訳語を考えなければならなかつたのではないかと想像します。

今回は、ちょっとその辺がややこしいことになりました。
もともとこの絵本は、絵でいろんなものを見せる「図鑑」みたいな本なのです。しかも英和対訳で子供の勉強に使えるようにして欲しい、と。その二つの条件から、絵に出てくるものを説明する個々の単語については、できるだけ辞書の訳語に近くすることが求められました。一方、作品の中には言葉遊びやパロディが散りばめられていて、これを日本語にしないなら、訳者としての名折れになる。

たとえば、長靴の中から猫が顔を出していて、英文がPuss in boot。直訳すれば「長靴に入っている猫」になるのですが、これ自体がPuss in boots(長靴を履いた猫)のパロディになっている。それで、日本語では「長靴をはいった猫」と訳す。
顔だけの狼が長靴で歩いている。説明文はWolfgang。普通ならドイツ語風に「ヴォルフガング」とすれば良いのですが(ドイツ語でWolf gangだと「狼が行った」という意味になって、絵はその言葉遊びでもあるのですが、それは措くとして)、その狼の下にAmadeus, amateurと書かれている(この部分は活字ではないので、訳さないでよい部分)。そしてこの絵が音楽会のページにある。そこで「狼(ろう)ツァルト」と訳す。
同じページには四人の楽団員がいて、説明文が「These old men had a hard-day's night.」と書かれている、普通に訳せば「この老人たちはめまぐるしい夜を過ごした」となる。でも、楽団員それぞれにGeorge, Paul, John, Ringoと名前が付けられている。そうなると、これでは訳が失格。「この昔の男たちはハード・デイズ・ナイトを過ごした」と訳さざるを得なかった。
と、こういうところに凝ると、今度は対訳・英語の勉強という意味では、小中学生の読者には解らなくなるのですよね。その結果、編集者の方針で、全体の10%ほど、本文がカットされています。絵本であることから、出版社が訳註を付けない方針だったので、本当に残念でした。
対訳には対訳の難しさがあって、時に辞書の通りの訳も必要とされる、という勉強になりました。

Re: WEJ8月号を拝受しました - 質問

2018/08/17 (Fri) 18:33:56

「長靴をはいった猫」と訳す?。「長靴にはいった猫」なのでは・・・。「長靴をはいった猫」とは日本語として如何に解釈すべきなのでしょうか。未読なので詳細が判りませんが

Re: Re: WEJ8月号を拝受しました - 木下信一

2018/08/17 (Fri) 19:02:26

「長靴に入った猫」では「長靴をはいた猫」の言葉遊びにならないでしょう?
「長靴をはいった」が日本語として変格、はっきり言えば正しくないことは、誰だってわかります。実際、もっと自然な日本語になるなら、そうしていました。
しかしこの英語には「長靴に入った猫」と「長靴をはいた猫」の二つの意味が同居している。なら、駄洒落とはいえ、両方の意味を日本語にするのが翻訳です。
そしてここで、敢えて「間違った」日本語を使った。実際の訳文では、編集者さんの意見を取り入れて「長靴をはいッた猫」と、二重に「おかしいな」と意識される表記にしています。そこに引っかかりを感じることで、「これは言葉遊びだ」と理解できるようにしている。
そういうことなんですよ。

「シャーロック・ホークス」は非凡な作 - 煮つけで一杯

2018/08/19 (Sun) 15:55:28

 今号から連載が始まった「シャーロック・ホークス」は、非凡な才能を持つ異色の著者でなければ書けない作品です。ホームズに関する本をあちこちツマミ食ひしただけの文を駄作とするなら、遊び心溢れかつセンスたっぷりの作に大いに期待したい。この著者の前作「緋色の検索」の大いに楽しく読ませていただいた。次号を楽しみにしています。

平賀さんは古い地図を御餅なんですね。 - 南浦和うらら 

2018/08/22 (Wed) 01:50:37

今号の「ホームズ原理主義と発展主義」にロンドン郊外がまだ野っ原だった時代の地図が引用されています。当時の地図をお持ちなんですね。よく見ると家が一軒一軒記入されている詳しい地図で、連棟式の家あり戸建てあり、見ているだけで楽しいです。監獄があったという事は都心から離れた町外れなんですね。他にもっとお持ちですか?

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