ウエストホームズ談話室

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ホームズファンのための談話室です。どうぞおくつろぎください。  

ダートムーア国立公園のシンボルマークは馬です! - りんご

2018/08/13 (Mon) 12:00:38

英文学者がお一人一地域を選んで文学的に紹介する『田園のイングランド』のダートムーアの章をJSHCの平賀先生が書かれたのはご同慶の至りです。福島さんの「真説シルバーブレイズ」も毎号楽しみにしていますが、一つ気にかかったことがあります。福島説ではシルバーブレイズが走った競馬場はグッドウッドという所だと推理していますが、ダートムーア国立公園のシンボルマークは馬です。不毛の高原て何も遮るものはない地形、昔から野生の馬が駆け回っていた所、シルバーブレイズが走った競馬もダートムーアでおこなわれたのではないでしようか。

Re: ダートムーア国立公園のシンボルマークは馬です! - 木下信一

2018/08/14 (Tue) 11:19:37

ダートムアには、確かに競馬場がありましたね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Buckfastleigh_Racecourse
とはいえ、無理にダートムアでなくともイギリスには競馬場は沢山あるのではないかとも思います。

Re: ダートムーア国立公園のシンボルマークは馬です! - hibiki

2018/08/14 (Tue) 14:56:00

当時ダートムーアからの帰り道はグレート・ウェスタン鉄道でしたが、この鉄道会社はプルマン・カーを敬遠しており、1928年までリース契約していませんでした。ホームズ達が「プルマン・カー」で帰った事が事実なら、ダートムーア近辺の競馬場は候補から外れるでしょう。

プルマンカーは定期列車以外に貸切りで運行しています。 - 鉄ちゃん哲五郎 

2018/08/19 (Sun) 21:14:01

シルバーブレイズが走った競馬場はダートムーアではないかとの説とダートムーアに通じるグレートウェスタン鉄道はプルマンカーを運転していないからダートムーア周辺は除外されるべきとの説が出され、シャーロキアンらしい建設的な論争が行われており結構なことです。
ここで一つ考慮にいれなければならないのは、ダートムーアの東口のエクセター、北口のオークハンプトン、西口のタヴィストックにはサウスウェスタン鉄道が通じています。またプルマンカーは定期列車にも連結されますが、競馬会などには臨時の貸切り列車が運転されたり、貸し切り車両を増結するケースがありますので、この点をよく調べましょう。

Re: ダートムーア国立公園のシンボルマークは馬です! - hibiki

2018/08/20 (Mon) 00:54:11

不十分でしたので補足です。
ローゼンバーグ説でも扱われているとおり、ロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道では、ロンドン-ボーンマス間で不定期にプルマン・カーを運行しており、この点については関西支部の故松下氏も自らの著作の中で当時の時刻表を調べて裏を取っておられます。
従って、この路線が走っているところでプルマン・カーをチャーターすることは不可能ではありません。
しかし、ここには時間的・空間的なことが考慮されていません。レースが終わってダートムーア地方から帰る場合、4時間以上掛かります。祝勝会・夕食などがあればさらに遅くなります。ロンドンに10時くらいに帰ったとして、そこから大佐を自宅に招待するということは常識的に考えにくいのです。
さらにヴィクトリア駅に帰ってくるにはわざわざ途中別の会社に乗り換えなければなりません。

松下さんの本で結論は出ていますよ。 - 鉄ちゃん哲五郎 

2018/08/21 (Tue) 13:12:58

 hibikiさんが挙げておられる故松下氏の著書とは『シャーロック・ホームズの鉄道学』でしょう。もちろん私も持っています。このこの本によれば結論は出ているではないですか。当初英国でプルマンカーを採用したのはミッドランド鉄道でしたが、南部地方の鉄道に転売され、ヴィクトリア駅などから発着する列車に使われるようになっていた。だから彼らがプルマンカーで戻って来たという表現は適切であるが、ウィンチェスターからの帰路、南部方面を経由して来たとなれば、これまた、大変な遠回りとなり常識的とは言えない。L&SWではプルマンカーが定期の運用には入っていなかったが、貸し切り車両として使用されたとすれば説明がつく。ロス大佐は馬主であり、ホームズにかなり恩義を感じていたのでサービスしたのだ。(中略)彼ら一行はウィンチェスターからL&SWでプルマンカーを特別に貸切りクラパム・ジャンクション駅まで帰ってきた。云々・・・。

Re: 松下さんの本で結論は出ていますよ。 - 木下信一

2018/08/21 (Tue) 18:26:56

どちらに賛成というわけでもないのですが、

オッカムの剃刀

という言葉はご存じでしょうか?
科学の世界で理論の検証なんかの際によく使われる概念ですが、簡単に言うと「何かを説明するときに仮定や特殊な状況を置く数がより少ない方が、真理に近い」というものです。「こういうこともあり得るから」と、有利な仮定や条件をたくさん置けば、いくらでも好きな結論は出せるのです。二つの仮説を並べた際、より仮定や特殊な条件の少ない方を正しいと考えれば大きな間違いはない。
証明された真理というわけではなく、「概ね正しいだろう」という、一種の経験則みたいなものですが、何かを判断するときに有用な思考の道具となります。
この議論にも、仮定や特殊な条件の多いのはどちらの説か、という視点で眺めると面白いかも知れません。

Re: 松下さんの本で結論は出ていますよ。 - hibiki

2018/08/22 (Wed) 23:30:20

 松下さんの説は、あくまでもウィンチェスターでレースが行われたことを前提として、L&SW路線を中心に据えておられます。なおかつ、途中のクラパム・ジャンクション駅で乗り換えてヴィクトリア駅に着いたとされていますが、乗り換え時間を考えれば、当時の時刻表からホームズの発言後「10分」で着くのは不可能です。原文を素直に読めば、乗り換えた形跡はない。であれば、最初からLB&SC路線に乗っていたと考える方が自然。というのが今回の新説でしょう。
 さらに、松下さんの著作の後に発表の、平賀三郎さんの『ホームズ聖地巡礼の旅』(哲五郎さんもお持ちかと思いますが)では、現地調査まで行った結果、「ウィンチェスターは銀星号が走った場所でない」との結論が導かれています。よって、「松下さんの本で結論は出ていない」と申し上げなければなりません。
「完全にありえないことを取り除けば、残ったものは、いかにありそうにないことでも、事実に間違いないということです。」オッカムの剃刀にも通ずる名言ですね。

Re: 平賀さんの本も持っています。 - 鉄ちゃん哲五郎

2018/09/01 (Sat) 18:35:22

松下さんの論は、ホームズ学の本流によって論を進めたもので、レースはウィンチェスター、プルマンカーでロンドンに帰り、クラパムジャンクション駅を通るという三点の正典の記述とホームズの言動をうまく成立させる説で、ホームズ学の定義にそっています。平賀さんの論は、ホームズはダートムーアに出かけ、ここに有力な厩舎が二つあり、帰路にクラパムジャンクション駅を通るという三点の正典の記述とホームズの言動を成立させる説で、これもホームズ学として成立しています。この両論併記になってしまっていますが、私は帰路のプルマンカーについての興味が大きく、ウィンチェスターからの帰路なら、プルマンカーの豪華客車と食堂車の2両編成、プルマンカーの客は駅弁などではなく、食堂車で一杯傾けながら豪華な夕食をしつつ帰ったことであしょう。ダートムーアからの帰路ならこれに寝台車を加えた3両編成の貸切りを利用したと思っています。今までどなたも言ってはおられませんが、鉄ちゃんのシャーロキアンもぬかっていますね。

LSWRのプルマン・カーについて - hibiki

2018/09/05 (Wed) 13:23:02

哲五郎さんの説は見栄えがして、楽しい想像ではありますが、歴史的事実にはどうもそぐわないようです。ホームズより後の時代のオリエント急行などのイメージが強すぎるのではと思われます。そもそもロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道では、プルマン・カーは1892年まで2台しか借りていなかったようで、いずれもキッチンが付いたパーラー・カーであるようです。

プルマン・カーの貸し出しリスト
http://www.britishrailways.info/pullman_cars.htm
LSWRプルマン・カーの内部
https://www.gracesguide.co.uk/London_and_South_Western_Railway

LSWRがお好きな方は、ウィンチェスターには競馬場がない以上、ダートムーアに近いエクセター周辺の競馬場からの帰路を考えたくなるとは思いますが、ホームズ一行はレース後、夜大急ぎでロンドンに帰っています。ロンドンから250キロ以上離れたエクセターから帰る場合、当時最速のGWRのフライング・ダッチマンでも4時間かかっているのに、それより遅い列車で帰るとなると、LSWR路線がいくらか距離が近いとはいえ、ロンドンに着くのは深夜になってしまうでしょう。
ロンドン-エクセター間は今でも3時間かかっています。
https://www.thetrainline.com/train-times/london-waterloo-to-exeter-central

当時直通でも4時間以上かかったと思われます。
LSWRの路線はいろいろと綻びが出てきます。

本来のホームズ学としての完成を望む - 竹田翁

2018/09/11 (Tue) 01:04:27

白銀号について松下説、平賀説が出ているが、忘れてはならないのはワトソンの「それから四日たって、私たちはウェセックス・カップ・レースを見るためにふたたびウィンチェスターゆきの列車に乗った。」の記述である。いろいろ調べて自分なりの新説を唱えるのもシャーロキアンの楽しみであり、松下説でも平賀説でも良いが、この記述を含めてすべてが成立する解を見つけてこそホームズ学であるまいか。松下さん亡き後平賀さんの卓説が待たれる。

Re: 鉄ちゃん哲五郎さんへお願い - 辛酸団

2018/09/26 (Wed) 21:48:46

鉄ちゃん哲五郎さんはなかなか鉄道に詳しいとお見受けします。ここいらで、TVのキャスターや芸能人が全員知ったかぶりして誤用している鉄道用語がありますね。これを皆様に教えて差し上げたら如何ですか?

Re: 辛酸団様へ - 鉄ちゃん哲五郎

2018/09/28 (Fri) 12:16:41

辛酸団さんご指摘のとおり、TVのキャスターも芸能人も、口先は巧みですが、教養はかなり不足しています。誤用2件を指摘させていただきます。
①ローカル線などで、ディーゼルカーがやって来ても「電車」と呼ぶ不注意な芸能人もキャスターもいます。いや大部分の人がそうだと言っても良いでしょうか。電気モーターで走るのが「電車」、ディーゼルエンジンで走るのは「気動車」です。
②スタートすることを「出発進行!!」と気取って唱えていますが、正解はスタート前に出発信号機を指差して、信号が青(進行)を表示していることを確認し、間違いのないように指をさして確かめ声に出して言う動作のことです。出発信号機が青なのを確かめてから動き出すので、動き出す前の信号確認作業なのです。

Re: 辛酸団様その他物好きな会員様へ - 鉄ちゃん哲五郎

2018/10/04 (Thu) 00:53:54

 お求めに応じて「電車」と「出発進行」について書きましたが、カタイ話に加えて少しオイロケのある豆知識をもう一つ。東京駅でも名古屋駅でも新幹線が乗り入れている駅で観察してください。新幹線の車両は車体が床下まで伸びていて台車の一部がのぞいているだけで床下は見えません。これをスカートと呼びます。東海道線などの在来線の車両には床下の(言わば下半身の)覆いがなく、台車も床下に取付られている電気機器も露出しています。床下の機器は雨に濡れても風に吹かれても大丈夫なのですが、新幹線は高速なので床下の風当たりも強く雨や雪の吹付も強いので覆ってあるのです。新幹線車両のスカートの中も在来線の車両の床下も似たようなものなんですが、防護がほどこされているのです。
 覗きや盗撮のお好きなシャーロキアンの方、あるいは物事への探求心の強いシャーロキアンの方、どうぞ命がけで新幹線のスカートの中をのぞくのはお止め下さい。

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